北海道で牛の病気を研究

地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
畜産試験場 畜産研究部 家畜衛生グループ 研究主幹
福田 茂夫(平成4年普通科卒)

試験場内の家畜の診療もしています。

 北海道立総合研究機構 畜産試験場で研究員として勤務し、この4月で20年目を迎えます。畜産試験場は、家畜の品種改良、飼料生産や家畜衛生の技術開発を行う研究機関です。私は獣医師の資格を活かし、家畜の病気の診断技術開発や衛生管理の研究を担当しています。
 滝中学の頃から牛や馬の獣医師になりたいと考えていましたが、肝心の勉強はぜんぜんダメで・・・中・高共に補習などで先生方には人一倍お世話になりました。1浪後、北海道の酪農学園大学の獣医学科に進学することができました。
 酪農学園大学は、その名のとおり、広大な牧場の中に校舎があるような大学で、「牛」を学ぶにはこれ以上ない環境でした。6年間の課程を無事に卒業し、国家試験も合格。さらに牛の病気を研究するため大学院に進み、将来は牛の診療を行う獣医師になろうと考えていました。しかし、状況が一変します。
 2001年9月、牛海綿状脳症(BSE:「狂牛病」と呼ばれていました)が国内で初めて確認されました。BSEの病原体プリオンを含んだ食品によって人の致死性神経疾患が起こるため、日本全国は一種のパニックともいえる状況となりました。
 北海道でもBSE プリオン感染牛が確認されたことから、畜産試験場でも研究を始めることとなり、大学院で牛の病気の研究していた私に白羽の矢が立ち、博士課程の途中でしたが、畜産試験場に就職することになりました。
 当時、BSE発症牛の症状などの詳細な情報がありませんでした。そこでBSEプリオンを牛に接種する研究を行い、国内で初めてBSE 発症牛を再現することに成功しました。これらの研究から、BSEの診断や食品のリスク評価に活用される成果が生まれました。幾つかの学会賞や表彰を頂き、また研究成果をまとめ、北海道大学から博士号を頂くこともできました。
BSEは終息しましたが、現在も内閣府食品安全委員会や農林水産省の専門委員を務めさせて頂いています。

オダッシュ山(標高1,097m)を背景に庁舎前で。

 ここ新得町は、人口6 千人弱の小さな町ですが、トムラウシ温泉やサホロリゾートなどの観光地、そば・地鶏・鹿肉・チーズなどのおいしい食材など魅力がいっぱいの町です。ぜひ北海道に訪れる機会がありましたら新得町にもお立ち寄りください