「名大MIRAI GSCに参加して」
名古屋大学 医学部医学科1年 鶴見 莉子
私は高校2年生の時、「名大MIRAI GSC」という名古屋大学が主催する理数教育プログラムに参加し、名古屋大学理学研究科森島邦博先生のご指導の下、宇宙線イメージングという技術を用いた研究活動を行いました。
名大MIRAI GSCに応募した理由は、土曜講座記念講演会にて森島先生の講演をお聞きし、研究活動に興味を持ったからです。森島先生は滝高等学校出身で、宇宙線イメージングという新しい技術の研究開発に取り組んでおられ、ピラミッド内部に未知の巨大空間を発見されるなど、宇宙線イメージングを活用した様々な研究をされています。私は森島先生の研究室に配属され、まず研究テーマを考えました。身近で大きな樹木が倒れたことを知り、宇宙線イメージングを用いて樹木の内部を可視化し空洞を検知することで倒木を未然に防ぐことができるのではないかと考え、樹木を対象に調査することにしました。恵那市の大船神社にある直径3mの弁慶杉に、原子核乾板と呼ばれるフィルムを設置し、実験データを得ました。実際に得られた樹木のデータとコンピューター上で行うシミュレーションとを比較して、実際の樹木の空洞がどれぐらいの大きさなのか調べていく過程で試行錯誤を重ねました。思うような結果が出ないことも多くありましたが、研究室の先生方から助言をいただき、ペアを組む高校生と協力しながら研究をすすめ、その結果、樹木内部の空洞を検知し、約2mの空洞が存在することが分かりました。この研究結果をまとめ、画像関連学会連合会秋季大会にて口頭発表を行いました。また全国GSC受講生研究発表会では英語でポスター発表および口頭発表を行い、令和5年10月に優秀賞を受賞することができました。
今回の活動を通して、チームで相談しながら実験、解析をすすめ、新しいことを発見する研究の面白さを実感し、私も将来研究に携わっていきたいと考えるようになりました。研究室での貴重な経験を糧にして、これからも様々なことに挑戦していきたいと思います。